小児科医が親になってわかったこと|医師目線と親目線のギャップ

小児科医も、わが子のことになると「ただの親」になります。医学的な知識があっても、親としての不安や心配は消えません。また、子育ての負担が軽くわけでもありません。

  • 「熱が出ても慌てない」はずの小児科医でも、心配してしまう
  • 診察室では見えなかった「保護者の不安」が、親になってはじめて実感できた
  • 医学的知識と親としての感情は別もの——どちらも大切にしてよい
  • 「こんなことで受診していいの?」という遠慮は不要
  • 健康な子どもの相手に不慣れで普通に疲弊する

「先生は小児科医だから、子育ては楽ですよね」とよく言われます。でも実際に親になってみると、それは大きな誤解だとわかりました。医師としての知識は確かにあります。でも、わが子となると話は別です。この記事では、小児科医として働きながら親にもなった私が、両方の立場から気づいたことを正直にお伝えします。

わが子が発熱したとき、小児科医は冷静でいられる?

小児科医でも、わが子の発熱では普通の親と同じように心配します。

38度の熱で「大丈夫、ただの風邪だ」と頭ではわかっています。「ウイルス感染なら自然に治る」「解熱剤は38.5度以上でぐったりしているときに使う」——そんなことも知っています。でも夜中に何度もそっと額に手を当てて確認してしまいます。

知識と感情は別のところにあるものだと、親になって初めて実感しました。

診察室でお父さんやお母さんが「ちょっとしたことで来てしまって」と申し訳なさそうにおっしゃることがあります。でも、心配するのは親として当然のこと。私も同じです。「心配しすぎ」なんてことはないと、自分が親になって確信しました。

医師になってわかることと、親になってわかること、何が違う?

医師として学べることと、親として経験することは、まったく異なります。

医学的に学ぶのは「平均」や「統計」です。「乳幼児の発熱の多くはウイルス感染で自然に改善する」という事実は知っています。でも親として向き合うのは、統計ではなく「このわが子」です。

医師であることは、親としての不安を完全には取り除いてくれません。「そういえば同じこと外来で言われたことあったな、こういうこと言っていたのか・・・」と後になってから気づいたり。

結局、自分ごととして経験しないとわからないもんなんですよね。

「知りすぎる」と、逆に不安が増えることはある?

医療知識があると、かえって心配になることがあります。

「もし◯◯だったら」、「数年前に似たような経過でこんなことあったな」とか、無駄に(?)心配してしまうこともあります。

保護者のみなさんに伝えたいのは、心配することは「知識が足りないから」ではありません。親であるからこそ自然に生まれてくる感情です。むしろ、その心配心がお子さんの変化に気づかせてくれる大切なアンテナです。

小児科医が親になって思ったことは?

親になって、診察室の外の世界がよく見えるようになりました。夜中に検索して不安になる気持ち、症状が続いて仕事を休むか迷う葛藤、「自分のせいだろうか」と自分を責める夜。そのすべてが、今は手に取るようにわかります。

そして、同時に、診察室で保護者の不安を完全に0にしたり、育児の疲弊を0にするような素晴らしい提案をすることは不可能なんだなとも思います。小児科医の知識があっても、自分の子どもであれば不安になるし、普通に疲弊します。

よくある質問

Q. 小児科医も子育てで悩むことがあるのですか?

A. はい、あります。医学的な知識があっても、わが子のこととなると「ただの親」になります。夜中の発熱で眠れなかったり、泣き止まない赤ちゃんに途方に暮れたりすることは、医師も同じです。

Q. 「こんなことで受診していいの?」と迷ったら、どうすればいいですか?

A. 迷ったら受診してください。「大したことないかどうか」を判断するのが小児科医の仕事です。保護者の「なんとなくいつもと違う」という感覚は、医学的に重要な情報です。遠慮せずにお越しください。

Q. 子育ての不安が強いとき、小児科に相談してもいいですか?

A. もちろんです。「病気かどうかわからない」「育て方が心配」「気になることがある」——どんな理由でも構いません。子育ての不安はれっきとした受診理由です。お気軽にご相談ください。しかし、小児科医は医療の専門家であって子育ての専門家ではありません。そのため、お答えできる内容は医師の経験した範囲内となります。あまり期待せずにご相談いただくと小児科医としては助かります。

まとめ

  • 小児科医も親になると、医学的知識だけでは解決できない「親としての不安」を経験します
  • 「知識」と「感情」は別もの——心配することは普通なことです
  • 「こんなことで来ていいの?」という遠慮は不要——それを判断するのが小児科医の仕事です
  • 保護者の「なんとなくいつもと違う」という感覚は、大切な医療情報です

この記事の監修
おぎくぼ小児科 〒167-0043 東京都杉並区上荻1-21-21 SYMPHONY MARE 1階(荻窪駅西口から徒歩4分)

※この記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の診断・治療の代替となるものではありません。気になる症状がある場合は、医療機関にご相談ください。

参考文献 ※この記事は執筆者の個人的な経験・見解に基づく内容のため、外部参考文献はありません。

予防接種と診察を一緒に受けたい方はこちら

所在地

〒167-0043

東京都杉並区上荻1-21-21

SYMPHONY MARE 1階

・荻窪駅西口から徒歩4分
・駐輪場完備
・当院への詳しいアクセスについてはこちら
・駐車場はありません。
 近隣のコインパーキングについてはこちら

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!