インフルエンザには主に「A型」と「B型」の2種類があります(C型、D型も存在しますが、冬に流行するのは一般的にA型とB型です。)。どちらも感染すると発熱や倦怠感などの症状が現れるため、見分けがつきにくいことがありますが、それぞれには症状の傾向があります。今回は、インフルエンザA型とB型の違いについて簡単に解説します。
インフルエンザに共通する症状
まず、インフルエンザA型とB型のどちらでも、以下のような症状が見られます。
- 発熱(38℃以上の高熱)
- 頭痛
- 倦怠感(体がだるい感じ)
- 関節痛や筋肉痛
これらの症状はインフルエンザの典型的なものですが、A型とB型ではいくつかの違いが見られます。
インフルエンザA型の特徴
- 症状が重い傾向
インフルエンザA型は、B型と比較して症状が重く出ることが多いと言われています。高熱や強い倦怠感、関節痛が特徴で、全身症状が強く出る場合があります。 - 流行の規模が大きい
A型は大規模な流行を引き起こしやすく、パンデミック(世界的な大流行)の原因となることもあります。冬の初めから流行が始まることが多いです。
インフルエンザB型の特徴
- 症状はやや軽めの傾向
B型は、A型ほど高熱や全身症状が強く出ない場合があります。微熱や中等度の発熱にとどまることが多いです。 - 腹部症状が加わることも
B型の特徴的な点として、腹痛や下痢といった腹部症状が見られることがあります。お腹の不調が強い場合はB型の可能性も考えられます。 - 流行時期がシーズン後半に多い
B型はA型の流行が落ち着いた後の冬の後半に流行することが多い傾向にあります。
しかし、これはあくまで一般的な傾向です
これらの違いは一般的な傾向であり、必ずしもすべてのケースに当てはまるわけではありません。例えば、A型でも軽症で済むこともあれば、B型でも強い症状が出ることがあります。そのため、インフルエンザの型を見分けるには、周囲の流行状況や診察所見、検査結果などを総合的に判断する必要があります。
気になる場合は小児科を受診しましょう
インフルエンザの症状が疑われる場合や、症状が軽くても気になる場合は、迷わず小児科を受診してください。適切な診断と治療を受けることで、早期に回復し、重症化を防ぐことができます。また、周囲への感染を防ぐためにも、早めの受診が大切です。
まとめ
インフルエンザA型は全身症状が強く、B型は腹部症状が加わることが多いという違いがありますが、個々の症状には幅があります。気になる場合は、早めに医療機関での受診を検討しましょう。当クリニックでもインフルエンザの診断と治療を行っておりますので、いつでもご相談ください。