子どもの鼻水が出る疾患として代表的なものにアレルギー性鼻炎があります。アレルギー性鼻炎は鼻の中に入ってきたものに対してアレルギー反応が起こり、鼻水、鼻詰まり、くしゃみなどの症状が起こる疾患です。1年中症状が持続するものを通年性アレルギー性鼻炎、特定の季節に症状が出るものを季節性アレルギー性鼻炎といいます。通年性アレルギー性鼻炎ではダニが原因となることが多く、季節性アレルギー性鼻炎では花粉が原因となる(いわゆる花粉症)ことが多い疾患です。
花粉症
季節性アレルギー性鼻炎(花粉症)では様々な花粉が原因となりますが、特に多いのがスギ花粉です。スギ花粉症では、毎年2~3月頃になると鼻水や鼻詰まり、くしゃみなどの症状が出現します。
スギ花粉症は近年増加しており、特に子どもでも増加率が高いと言われています。幼い子どもでも発症することがあり、小学校入学前の子どものスギ花粉症も珍しくありません。
ダニアレルギー
通年性アレルギー性鼻炎はダニ、カビなどが原因となります。自宅の環境を整えることで症状を改善することができますが、避けられないダニ(学校、よく遊びに行く祖父母宅など)もあります。
舌下免疫療法
子どもに対する花粉やダニに対するアレルギー性鼻炎の治療は飲み薬や点鼻薬による「治療中のみ症状をやわらげる治療」が中心でした。しかし、2014年にスギ花粉、2015年にダニの舌下免疫療法が保険適応となり、2018年に年齢制限がなくなったことから子どものアレルギー性鼻炎の治療が近年大きく変わってきています。
舌下免疫療法はスギやダニのアレルギー成分を少しずつ体に取り入れることによってアレルギー反応を起こさなくする治療法です。今までの飲み薬や点鼻薬では薬の使用中のみ症状をやわらげる効果が得られましたが、舌下免疫療法では治療終了後も症状をやわらげる効果が長く続きます。
どんな人が舌下免疫療法を受けられるの?
舌下免疫療法を受けられるのは5歳以上で、アレルギー検査でスギ、あるいはダニが陽性となった子どもです。この条件を満たしていても過去に舌下免疫療法で重度のアレルギー症状を経験したことがある子ども、重症の気管支喘息がある子どもは舌下免疫療法を受けられません。治療を受けて、しっかりコントロールされている場合は気管支喘息があっても舌下免疫療法を受けることができます。
舌下免疫療法の実際
薬の投与量、投与スケジュールは子どもも大人も同じです。スギの舌下免疫療法の開始時期はスギ花粉が飛んでいない時にします。スギ花粉が飛んでいる時はスギ花粉に対する過敏性が高まっているからです。5月〜12月の間であればスギの舌下免疫療法を開始することができます。
服用方法
1日1回、舌の下に錠剤を1分間置いた後に飲み込みます。投与後5分間はうがいや飲食を控えてください。
初回投与
初めて舌下免疫療法を行う時は医療機関内で行います。投与後30分間、経過観察し、異常がないことを確認してから帰宅します。
2回目以降
初回投与の翌日以降は自宅で薬を投与します。
シダキュア(スギ花粉の舌下免疫療法の薬)、ミティキュア(ダニの舌下免疫療法の薬)では投与開始から1週間は少なめの量を服薬し、1週間以降は通常の量を服薬します。
投与開始から1ヶ月程度は口腔内のかゆみや腫れ、耳やのどのかゆみなどの症状が出現しやすいですが、多くの場合は軽い症状に収まり、自然に軽快します。
不快感から治療をやめてしまう子どももいますが、症状が強い場合は症状を抑える薬を使用することもできます。
治療期間
治療期間は3~5年です。
舌下免疫療法は治療終了後も長く効果が続くというメリットがある反面、長い治療期間がデメリットです。
治療中は少なくとも1ヶ月に1回は受診する必要があるため、受診の手間というのもデメリットとして挙げられるでしょう。
治療効果
舌下免疫療法は、花粉症、ダニアレルギーを根本的に治療できる唯一の治療法です。しかし、治療を行った患者さん全員が完全に症状をなくすことができるわけではありません。
舌下免疫療法を行うと、約20%の患者さんは完全に症状がなくなり、約60%の患者さんは症状が軽くなります。一方で、20%の患者さんでは治療効果が得られません。
完全に症状がなくならなくても、症状が軽くなれば、使用していたアレルギーの薬の数や使用量を減らしたり、これまで抑えきれていなかった症状を抑えられるようになります。また、花粉症では薬を使用する期間を短縮させることができるようになります。
メリット、デメリットはありますが、スギ花粉症、ダニアレルギーに対する有効な治療法の1つです。まずはご相談ください。
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