
「一度インフルエンザにかかったのですが、もうワクチンは打たなくてよいですか?」という質問をよくいただきます。この疑問について、こちらで解説いたします。
インフルエンザにかかってもワクチンは打った方が良いでしょう。
インフルエンザに一度かかると、その型に対する免疫はできますが、インフルエンザウイルスには複数の型があります。インフルエンザワクチンは毎年、A型2種類、B型2種類のインフルエンザをカバーしており、例えば2025年の不活化インフルエンザワクチン(注射)は、以下の3つの型をカバーしています
- A/ビクトリア/4897/2022(IVR-238)(H1N1)
- A/パース/722/2024(IVR-262)(H3N2)
- B/オーストリア/1359417/2021(BVR-26)(ビクトリア系統)
※B型の山形株は2025年から対応しなくなりました。
そのため、たとえ一度インフルエンザにかかったとしても、他の型に感染するリスクは依然として存在します。また、ワクチンを接種することで、次に感染した場合の脳症や肺炎などの重症化を防ぐ効果 も期待できます。
もう一度かかるリスクを軽減
前述したように、インフルエンザには複数の種類が存在するため、インフルエンザは一シーズンに複数回かかる可能性があります。今年はもう感染したからもう大丈夫、と油断していると同じ年度内で再度インフルエンザに感染してしまうことも。ワクチンを接種することで、これを予防することができます。
ワクチンは予防のための重要な手段
ワクチン接種は、インフルエンザにかかるリスクを下げるだけでなく、重症化や合併症を防ぐためにも非常に重要です。インフルエンザの重症化は単に発熱が長引くだけではありません。脳症や肺炎などを起こし、時には後遺症を残すこともある恐ろしいものです。
インフルエンザにかかってから、抗インフルエンザ薬(タミフルやイナビル、リレンザなど)を使用すれば大丈夫と思うかもしれませんが、抗インフルエンザ薬にはインフルエンザの重症化を防ぐ効果はなく、症状を24時間程度短くしてくれるだけです。特に小さなお子様や高齢者、持病をお持ちの方は、ワクチン接種を積極的に検討していただきたいと思います。
まとめ
一度インフルエンザにかかっても、他の型に感染するリスクは残ります。そのため、ワクチンは接種した方が安心です。インフルエンザシーズンはまだ続きますので、ぜひ予防の一環としてワクチン接種をご検討ください。
当クリニックでもインフルエンザワクチンの接種を受け付けております。ご予約やご相談はお気軽にお問い合わせください!
参考文献・引用元

