手に汗をかきやすい体質の人がいます。これは医学的には原発性局所多汗症と呼ばれています。
この病気は、体の特定の場所(たとえば、顔や頭、手のひら、足の裏、わきの下など)に、普通よりたくさん汗をかく病気のことです。原因はよく分かっていないのですが、汗を出す「汗腺(かんせん)」の数や大きさが他の人と違うわけではないので、汗腺が活発に働きすぎているのが原因だと考えられています。
たとえば、暑くないのに手のひらや足の裏にたくさん汗をかいたり、緊張したときに汗が出やすくなることが多いです。この汗のせいで、普段の生活や学校生活で困ることがあります。
この病気は、たいてい25歳以下の若い人に多く見られますが、特に手や足の汗は、幼稚園や小学生のときから始まることが多いです。汗をかく理由は、もともと動物が滑らないように足の裏に汗をかく仕組みと似ていて、ヒトも緊張したり、集中すると汗が出やすくなることがあります。
治療を始めるタイミングは、本人が「汗が出すぎて困っている」と感じたときです。無理に治療をするのではなく、自分が困ったときに希望して治療を受けます。治療には、汗を抑える薬や治療器具の使用、注射による治療など、色々な方法があります。
最近、保険適用となった治療薬の1つにアポハイドローションというものがあります。これは汗腺の働きを抑えることで手の汗の量を少なくする塗り薬です。
12歳以上の方が使用することができます。
もし12歳以上の方で手汗が気になる場合は、一度ご相談ください。