
短頭症(いわゆる「絶壁」)の重症度について、

医師は軽症と言うけれど、見た目はかなり絶壁に感じる
こうした声は決して珍しくありません。
このズレは、誰かの判断ミスではなく、
「医師と保護者では絶壁を評価する判断基準が違う」ことが最大の理由です。
保護者が「絶壁」と感じる判断基準
保護者の方が短頭症を気にされる場面では、数値ではなく見た目の印象が判断の中心になります。
多くの場合、次のような点が気になります。
・横から見たときに後頭部の丸みが少ない
・後ろにふくらみがなく、ストンと落ちて見える
・写真を撮ると後頭部が平らに見える
つまり、頭全体を立体的に見たときのシルエットが、「絶壁かどうか」の判断材料になっています。
医学的な短頭症の評価方法とは
一方、医療現場で使われる短頭症の評価方法は、見た目とは異なります。
主に用いられているのは、
・頭の「前後の長さ」と「左右の幅」の比率
・頭全体ではなく、ある高さで切った1枚の断面図による評価
この方法では、
後頭部がどれくらい平らに見えるか
横から見たときの丸み
といった「視覚的な絶壁感」は、ほとんど数値に反映されません。
なぜ「正常〜軽症」でも絶壁に見えるのか
この評価方法の特徴により、次のような現象が起こります。
・数値上は「正常〜軽症」に分類される
・しかし、実際に見ると後頭部の平らさが強く感じられる
つまり、
医学的評価と見た目の印象が一致しないケースが生まれやすいのです。
これは、保護者の感覚が過剰でも、医師の評価が誤っているのでもありません。
単純に、
・医療は「頭の断面図の前後幅と横幅の比率」という数値で評価している
・保護者は「立体的な見た目」で評価している
この評価軸の違いが、医師と保護者の絶壁に対する重症度のズレの正体です。
短頭症の評価方法の限界
現在の医学的な短頭症評価は、
世の中で一般的にイメージされている「絶壁」を十分に表現できないことがあります。
そのため、
・数値だけを見ると安心できない
・見た目の違和感が強く残る
こうした不安を抱える保護者の方が少なくありません。
短頭症で本当に大切な視点
短頭症を考える際に重要なのは、「数値か、見た目か」の二択にしないことです。
・数値上の重症度はどうか
・保護者はどこを、どの角度で気にしているのか
この両方をすり合わせて評価することが、不安を減らし、納得のいく判断につながります。
まとめ|重症度のズレは「物差しの違い」から生まれる
短頭症(絶壁)の重症度がズレて感じられるのは、
・医療は「数値」で評価する
・保護者は「見た目」で評価する
この物差しの違いが原因です。
だからこそ、「数値上は軽いから大丈夫」「見た目が気になるから重症だ」と単純に切り分けるのではなく、
数値と見た目の両方を踏まえて考えることが、短頭症と向き合う第一歩になります。








