「りんご病」という名前を聞いたことはありますか?正式には「伝染性紅斑」と呼ばれるこの病気は、子どもを中心に流行するウイルス感染症です。この記事では、りんご病の症状や原因、治療方法、そして家庭での注意点を詳しく解説します。
りんご病とは?
りんご病は、ヒトパルボウイルスB19によって引き起こされる感染症です。名前の由来は、感染した子どもの頬がりんごのように赤くなる特徴的な症状からきています。
- 主に幼児や学童が感染しやすいですが、大人も感染することがあります。
- 流行時期:年始から7月上旬頃にかけて症例数が増加し、9月頃症例が最も少なくなります。しかし、流行が小さい年には、はっきりした季節性がみられないこともあります。
- 感染経路:飛沫感染(咳やくしゃみ)、接触感染(感染者の鼻水や唾液)などを通じて広がります。
りんご病の症状
りんご病の症状は段階的に現れます。
- 初期症状
風邪のような軽い症状が数日間続きます。- 発熱(軽度の場合が多い)
- 倦怠感
- 鼻水や喉の痛み
- 特徴的な発疹
風邪症状が落ち着いた後、以下の症状が現れます。- 両頬が赤くなる:りんごのような赤みが特徴です。
- 網目状の発疹:腕や足、体に広がることがあります。
- かゆみ:訴えないことも多いです。子どもよりも大人の方がかゆみを強く感じることが多いです。
- 大人の症状
大人の場合、発疹が出ないこともあり、関節痛を訴えることがあります。
りんご病の原因と感染経路
りんご病の原因は、ヒトパルボウイルスB19です。このウイルスは一度感染すると免疫ができ、再感染することはほとんどありません。(終生免疫)
- 感染期間
初期症状が出ている間は感染力がありますが、発疹が出た時点では感染力はほぼなくなっています。 - 潜伏期間
潜伏期は通常10〜20日です。
りんご病の治療法
現在、りんご病に特効薬や予防接種はありません。ただし、通常は自然に治る病気です。以下の対症療法(症状に合わせた治療)が行われます。
- 安静にする
発熱や倦怠感が強い場合は、十分な休息をとりましょう。解熱鎮痛剤等を使用することもあります。 - 水分補給
体調を整えるために水分をしっかり摂取します。 - 症状への対応
発疹やかゆみがある場合は、医師の指示で抗ヒスタミン薬を使用することもあります。
注意:妊婦がりんご病に感染すると胎児に影響を与える可能性があります。妊娠中の方は、りんご病の流行時に感染者との接触を避け、咳エチケットや手洗いうがいを徹底しましょう。
家庭での注意点
りんご病は子どもが多く感染するため、家庭内や学校での予防が大切です。
- 手洗い・うがい:基本的な感染症対策を徹底しましょう。
- マスク着用:咳やくしゃみをする際はマスクを着用します。
- 適切な換気:部屋の空気を入れ替えてウイルスの拡散を防ぎます。
りんご病と学校・保育園の対応
りんご病は発疹が出るころには感染力がほとんどありません。そのため、発疹が出ていても学校や保育園への登校・登園が可能とされています。ただし、発熱や全身のだるさがある場合は、無理をせず休むようにしましょう。
りんご病を予防するには?
りんご病に対する特別な予防法はありませんが、一般的な感染症対策が有効です。
- 定期的な手洗い
- 規則正しい生活:十分な睡眠とバランスの良い食事で免疫力を高めましょう。
- 周囲の流行情報をチェック:流行している地域では特に注意が必要です。
まとめ:りんご病の疑いがあれば医師に相談を
りんご病は通常、軽症で自然に治りますが、妊婦さんや免疫が低下している方の場合は注意が必要です。発疹が出た場合や疑わしい症状がある場合は、医師にご相談ください。当院では、りんご病を含む感染症の診察を行っています。ご不明な点があれば、いつでもお問い合わせください。
りんご病についてのご相談や診察をご希望の方は、当院の予約システムをご利用ください。お子さまの健康を守るため、早めの受診をおすすめします。