どんな病気?
水痘帯状疱疹ウイルス(varicella zoster virus;VZV)によって生じる、皮膚の感染症です。感染力が強く、強いかゆみを伴う水疱(みずぶくれ)が出現します。水痘にかかるのは9歳以下に多いです。治療は塗り薬と飲み薬です。
症状
潜伏期間は約2週間です。全身にかゆみを伴うみずぶくれができますが、最初からみずぶくれができるわけではありません。最初は虫刺されのような赤いぷつぷつから始まり、それがみずぶくれに変わっていきます。みずぶくれが頭皮や口の中にできることもあります。皮膚の症状だけでなく、発熱、倦怠感も出現することがあります。
通常、2~3日で症状はおさまり、みずぶくれはかさぶた(痂皮化)となり、治癒します。
まれに肺炎や脳炎などの合併症を起こすことがありますが、1歳〜14歳では合併症の頻度が低いことが知られています。
診断
皮膚の状態や、症状の経過、ワクチン接種歴などから診断します。
治療
カチリという白い塗り薬や、アシクロビルなどの抗ウイルス薬の飲み薬を使用します。米国小児科学会では健康な子どもの水痘に対して薬は必ずしも必要ではないとしています。日本の文献でも2~5歳の健康な子どもではアシクロビルを不要とする意見もあります。
かゆみが強くて皮膚を掻きこわしてしまい、細菌感染を起こした場合は抗菌薬を使用することもあります。
自宅での過ごし方
カチリという白い薬は塗り伸ばすのではなく、発疹やみずぶくれに乗せるように塗りましょう。清潔な指で塗るのと、みずぶくれをつぶさないように塗ることがコツです。塗ってから乾くまでに少し時間がかかるので、服を脱いだ状態で軟膏を塗って乾いてから着た方がその後の洗濯が楽です。
みずぶくれをかかないように気をつけましょう。爪を短くしたり、手袋を着用したりして対策しましょう。
37.5度以上の発熱がある時は湯船は避けて、シャワーにしましょう。体を洗う時もみずぶくれが破れないように優しく洗いましょう。
登園・登校基準
水痘は学校保健安全法で出席停止が定められている疾患です。すべてのみずぶくれがかさぶた(痂皮化)になるまではお休みになります。登園許可証、登校許可証の発行を園、学校から求められた場合、当院で発行することができます。
川崎病と診断されていませんか?
水痘に感染している人がアスピリンという薬を飲むとライ症候群という病気を発症することがあります。激しい嘔吐が出現したり、上手に返事ができなくなったりします。
子どもでアスピリンを使用する病気の1つに川崎病という病気があります。水痘と診断された時、アスピリンを飲んでいるという方は必ず申し出るようにしてください。
アスピリンを内服していなければ川崎病と診断されたことがあっても気にする必要はありません。
家族の予防
水痘帯状疱疹ウイルスは空気感染する、非常に感染力の強いウイルスです。予防には予防接種が有効ですが、水痘ワクチンが定期接種となったのは2014年10月からであり、年長児や大人の中には予防接種を受けたことがない方がいます。
水痘は発症する1~2日前から感染する力があるため、一緒に住む家族には間に合わない可能性もありますが、水痘患者と接触してから72時間以内に緊急ワクチン接種を行うと発症を予防できるとの報告があります。
参考文献
- 水痘とは|国立感染症研究所
- Arvin AM : Seminars in Pediatr Infect Dis 13 : 12-21, 2002
- 永井崇雄 : 臨床とウイルス 26 : 145-155. 1998
- 予防接種従事者の方へ|一般社団法人日本ワクチン産業協会
- Asano Y, et al:Pediatrics 59:3, 1997
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